日本臨床外科学会雑誌
症例
膀胱回腸瘻により高アンモニア血症を発症した直腸癌肝転移術後の1例
織畑 道宏塚田 健次國井 康弘原口 美明小林 滋鎌野 俊紀
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72 巻 (2011) 7 号 p. 1810-1815

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抄録

症例は68歳,男性.直腸癌膀胱浸潤で低位前方切除術・膀胱部分切除術,転移性肝癌で肝部分切除術,膀胱腫瘍で経尿道的治療の既往がある.2009年2月に突然の意識障害と尿の食物による汚染を認めた.前医に入院し,高アンモニア血症および膀胱造影検査で膀胱回腸瘻と診断され,回腸盲腸バイパス術が行われた.その後も症状は改善せず,当院転院となり,2009年10月再手術を施行した.術前合併症に慢性肝不全,糖尿病を認め,前医の回腸盲腸バイパスを活用し,瘻孔を食物の流れから分離するため,瘻孔のある回腸を嚢状に切離・閉鎖した.術後は高アンモニア血症による症状はない.手術前,血清アンモニアと尿素窒素と血清クロールは高値を示したが,術後有意低下した.血清カリウムは術前後で差を認めなかった.

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© 2011 日本臨床外科学会
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