日本臨床外科学会雑誌
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原著
肝細胞癌症例における背景肝の検討
砂川 宏樹矢田 圭吾卸川 智文間山 泰晃嘉数 修兼城 達也稲嶺 進當山 鉄男座波 久光與那覇 俊美大田 守雄大城 直人
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2011 年 72 巻 8 号 p. 1923-1928

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抄録

肝細胞癌(HCC)における背景肝は本国と沖縄では相違があるとされていた.そこで当院(沖縄県在)においてHCCにおける背景肝や動向について検討した.2001年1月から2010年12月の期間で114例を対象とした.B型肝炎陽性のもの(HBV)が14.9%,C型肝炎陽性のもの(HCV)が33.3%であった.HBVやHCVが関連しない(nonBnonC)肝細胞癌(HCC)の割合は50.9%と高値であった.後期(2006年─2010年)ではHCV関連のHCCは減少し,非アルコール性脂肪肝炎(NASH)症例が散見された.肝切除症例においては62.5%にnonBnonCのHCCがみられ,中でもアルコール性肝障害由来のHCCを29.2%に認めた.当院ではHCVの割合は少なく,年次経過でも減少していた.また,NASHの症例が後期で散見されるようになり,注目すべき結果だと思われた.

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© 2011 日本臨床外科学会
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