日本臨床外科学会雑誌
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症例
残胃癌により発症した輸入脚閉塞症の1例
豊川 貴弘山下 好人山本 篤井上 透池原 照幸西口 幸雄
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2011 年 72 巻 8 号 p. 2004-2008

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抄録

症例は62歳,男性.37年前に十二指腸潰瘍に対して胃切除術の既往がある.1カ月前から嘔気・嘔吐を認めるようになり近医受診した.腹部CTで吻合部に腫瘤影と輸入脚の著明な拡張を認めた.同日の上部消化管内視鏡検査では吻合部に全周性の3型腫瘍を認め,残胃癌による輸入脚閉塞症と診断し緊急手術を施行した.前回手術はBillroth-II法の結腸後経路で再建されており,Treitz靱帯から吻合部の空腸は暗赤色を呈し著明に拡張していた.残胃全摘術,膵尾部・脾臓合併切除術を施行した.治癒切除であったが,術後3カ月で胃癌死された.残胃癌による輸入脚閉塞症の本邦論文報告7例について,集計および文献的考察を行った.

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© 2011 日本臨床外科学会
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