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日本臨床外科学会雑誌
Vol. 72 (2011) No. 8 P 2092-2096

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http://doi.org/10.3919/jjsa.72.2092

症例

症例は66歳,女性.便潜血検査陽性を指摘され精査加療目的に当科紹介となった.下部消化管内視鏡検査で下部直腸から肛門管に2型の腫瘍とその対側に粘膜下腫瘍を認めた.生検で低分化型腺癌と診断し,直腸切断術・D3を施行した.術後病理学的検索でいずれも類基底細胞癌と診断された.2つの腫瘍に連続性はなく,多発病変であった.本邦では類基底細胞癌は肛門管癌の約1.6%と珍しく,多発例は2例の報告のみと極めてまれであった.今後化学放射線療法が治療の中心になってくるが,類基底細胞癌は術前診断が困難である.直腸下部~肛門管にかけての腫瘍の診断時には類基底細胞癌の存在も念頭に置き,場合により免疫染色や針生検などを用い診断する必要がある.

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