日本臨床外科学会雑誌
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Print ISSN : 1345-2843
症例
増大傾向を呈し,大腸癌脾転移と鑑別が困難であった脾過誤腫の1例
大辻 絢子斉田 芳久榎本 俊行高林 一浩渡邊 良平草地 信也大原関 利章
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72 巻 (2011) 8 号 p. 2118-2123

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抄録

脾過誤腫は比較的まれな疾患である.今回われわれは,大腸癌術後経過観察中に増大傾向を呈する脾腫瘍を認め,転移性脾腫瘍と鑑別が困難なために脾摘出術を施行し,脾過誤腫の診断を得た症例を経験したので報告する.症例は60歳代,男性,大腸癌術後2年の経過観察中,腹部CT検査にて脾臓に10mm大の辺縁に強い造影効果を認め,中心部は造影効果の乏しい腫瘤が認められた.MRIではT1強調画像で等信号,T2強調画像でやや高信号を呈していた.半年間の経過にて20mm大へ増大を認め,転移性脾腫瘍を疑い脾臓摘出術を施行した.術後病理組織検査にて脾過誤腫と診断された.脾過誤腫は特異的な画像所見に乏しく術前の診断は困難であり,特に増大傾向を示す症例や悪性疾患が疑われる症例には手術を施行し確定診断を得ることが重要であると考えられた.

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© 2011 日本臨床外科学会
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