日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
食道切除後縦隔胃管再建時の経胃管経腸栄養カテーテル留置法の臨床成績
二宮 致牧野 勇岡本 浩一伏田 幸夫藤村 隆太田 哲生
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キーワード: 経管栄養, 食道切除, 胃瘻
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2012 年 73 巻 10 号 p. 2484-2488

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抄録

(目的)当科で開発した食道切除後縦隔胃管再建後経胃管経腸栄養カテーテル留置法の臨床成績を報告する.(方法)2009年11月より2011年7月までに食道切除後縦隔経路胃管再建術時に経胃管経管栄養カテーテルを留置した食道癌 30例を対象とした.カテーテルは横隔膜沿いに腹膜外経路で前腹壁に誘導し,胃壁刺入部に大網を充填した.術翌日から経管栄養を開始し,十分な経口摂取が確認された後カテーテルを抜去した.(結果)カテーテル留置期間の中央値は31.5(6-211)日であり,3例(乳糜胸2例,カテーテル閉塞1例)で経管栄養を中断した.カテーテルの自然逸脱と腸閉塞は認めなかった.カテーテル抜去時一過性の軽い腹膜炎を1例(3.3%)に認めたが保存的に軽快した.(結論)後縦隔胃管再建時経胃管経腸栄養カテーテル留置法は安全に施行可能であり,空腸瘻に伴う腸閉塞の回避に有用である.

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© 2012 日本臨床外科学会
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