日本臨床外科学会雑誌
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症例
真性腸石を伴った腸閉塞の2例
松本 悠戸倉 夏木中野 太郎上田 一夫高塚 純
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2012 年 73 巻 10 号 p. 2576-2579

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抄録

今回われわれは真性腸石を伴った腸閉塞の2例を経験した.
症例1:84歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に来院した.腹部CT検査で内部に粗大な石灰化を伴う腸管拡張像を認めた.保存的加療で症状改善しないため手術を施行した.開腹時回腸末端から口側150cmの小腸に狭窄を認め,内部には径3cm大の腸石を認めた.
症例2:39歳,男性.下腹部痛を主訴に来院した.腹部CT検査で骨盤内小腸の拡張像および内部に結石を認めた.保存的加療にて症状改善しないため手術を施行した.開腹時回腸末端から口側80cmの小腸に狭窄を認め,口側に非連続性に計4カ所狭窄を認めた.最も狭窄の強い2カ所の内部には径2cm大の腸石を認めた.
いずれの症例も小腸部分切除術を施行し,結石分析結果は2症例ともシュウ酸カルシウムが主成分であった.腸石は真性腸石と仮性腸石に分類され,真性腸石は比較的稀な疾患とされている.
2例の真性腸石を伴った腸閉塞の症例を経験したので報告する.

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© 2012 日本臨床外科学会
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