日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃癌検診後にバリウムにより結腸穿孔をきたした1例
岡田 晃斉青竹 利治土居 幸司田中 文恵藤井 秀則広瀬 由紀
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2012 年 73 巻 12 号 p. 3203-3206

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抄録

集団検診時の上部消化管透視検査のバリウム製剤により,イレウス,結腸穿孔を起こした症例を経験したので報告する.
症例は46歳女性.上部消化管透視2日後に腹痛を主訴に受診.腹部単純写真によりバリウム製剤による便秘,亜イレウスの診断で入院となる.入院2日目に症状の改善無く,結腸穿孔が疑われたため,緊急手術となった.術中,バリウム糞塊による結腸穿孔が認められた.術後は重篤な合併症無く経過した.
バリウム製剤によるイレウス,消化管穿孔はまれな合併症であるが,診断した場合は外科治療も十分考慮し治療する必要があると考えられた.

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© 2012 日本臨床外科学会
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