日本臨床外科学会雑誌
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症例
Micropapillary carcinoma成分を含んだ大腸癌の2例
國府島 健松本 祐介渡邉 佑介渡邉 貴紀甲斐 恭平佐藤 四三
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2012 年 73 巻 12 号 p. 3212-3218

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抄録

症例1は56歳,女性.進行直腸癌に対して低位前方切除術施行.病理所見にてmicropapillary carcinoma(以下MPC)成分を含んだ中分化型腺癌と診断された.リンパ管侵襲が著明で多発リンパ節転移を認め,MPC成分の水平方向の広がりも著しく断端まで浸潤を認めた.また術中の腹水細胞診でadenocarcinomaを認めた.術後は化学療法で経過観察中である.症例2は78歳,女性.上行結腸癌にて腹腔鏡補助下結腸右半切除術施行.MPC成分を含んだ中分化型~高分化型腺癌と診断された.深達度MPでリンパ節転移は陰性だったが術後5カ月で肝再発した.MPCは乳癌などの臓器でリンパ節転移,遠隔転移をきたしやすい悪性度の高い腫瘍と報告されている.大腸MPCも同様に悪性度の高い腫瘍であると考えられるが症例数はまだ少ない.今回われわれはMPC成分を含んだ大腸癌の2例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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© 2012 日本臨床外科学会
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