日本臨床外科学会雑誌
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症例
20cm超の乳腺間質肉腫の1例
鶴原 知子申 智宏菅本 常夫湧谷 純
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キーワード: 乳腺, 間質肉腫, 巨大腫瘍
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2012 年 73 巻 3 号 p. 547-551

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抄録

症例は60歳,女性.約4カ月で急速増大した右乳腺腫瘤を主訴に当科受診.来院時の腫瘍径は24cmで,肉眼所見・MRI・CTより悪性葉状腫瘍を疑い乳房切除術を施行した.術前検査にて所属リンパ節の腫大は認めず,間葉系腫瘍でのリンパ節転移の頻度は少ないため腋窩郭清は行わなかった.永久病理標本では,免疫染色により多方向への分化傾向を示す間質肉腫と診断された.乳腺の間質肉腫の報告はまれであり,未知の部分も多い.今回,20cm超の乳腺間質肉腫を切除後,局所含め再発兆候を認めず3年を経過した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2012 日本臨床外科学会
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