日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸憩室内結石による憩室穿孔の1例
平沼 知加志内田 恒之加藤 秀明俵矢 香苗渡邊 透
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2012 年 73 巻 3 号 p. 588-591

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抄録

症例は56歳,女性.腹痛を主訴に当院紹介受診.著明な腹痛と炎症反応高値を認め,腹部CTで十二指腸下行脚の壁肥厚,周囲後腹膜気腫・液体貯留を認めた.十二指腸憩室の穿孔による後腹膜腫瘍を疑い緊急開腹手術を行った.上腹部正中切開にて開腹すると後腹膜・十二指腸の浮腫上変化を認めた.十二指腸の授動を行い下行脚に約3cm大の憩室と穿孔部位と内腔に結石を確認,周囲に膿瘍形成を認めた.結石による十二指腸憩室穿孔と診断,結石摘出し憩室切除,縫合閉鎖後大網を被覆,Cチューブ,経胃的に十二指腸に減圧チューブを留置した.術後は順調に経過し退院となった.CTの特徴的所見,および適切な処置が重要と考えられた.

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© 2012 日本臨床外科学会
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