日本臨床外科学会雑誌
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症例
腸重積を期に発見された若年性大腸Burkittリンパ腫の1例
前野 博福岡 正人橘 史朗齋藤 寛
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2012 年 73 巻 4 号 p. 921-925

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抄録

症例は14歳,男性.家族歴・既往歴に特記事項認なし.当院を受診し腹部CTで腸重積様の所見を認める病変を認めたが,炎症所見や腹部所見にて緊急性がなく術前精査を行うこととした.大腸内視鏡検査(CF)で上行結腸から盲腸にかけてI型腫瘍を認めた.腸重積による腹痛が強く認められたため,精査・手術目的で入院となる.生検検査にてB細胞リンパ腫と診断.Gaシンチグラフィーを行うと,同部位に集積を認めた.開腹手術を行ったところ,盲腸に腫瘤性病変を認め,同所属リンパ節も腫脹しており,リンパ節郭清を含めた手術を行った.組織検査ではいわゆるstarry-sky像を認め,免疫染色検査ではCD20陽性,CD3弱陽性,CD10陰性,MIB-1強陽性であった.補助診断としてゲーティング検査とFISH法でBurkittリンパ腫と診断した.
若年性大腸腫瘍がBurkittリンパ腫である症例を経験したため文献的考察を加え報告を行う.

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