日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
横隔膜上憩室を伴った食道アカラシアの1例
日野 東洋田中 寿明的野 吾西村 光平藤田 博正白水 和雄
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 73 巻 6 号 p. 1386-1391

詳細
抄録

症例は63歳,男性.2002年に食道アカラシアと診断され他院にてバルーン拡張術で経過観察されていた.2009年11月経口摂取困難の増悪および1カ月で5kgの体重減少を認め,当科紹介となった.精査にて食道アカラシア(Sigmoid type,Grade II),Zenker憩室,横隔膜上憩室の診断で,Hand-assisted laparoscopic surgeryにてアカラシア手術(Heller-Dor法)と横隔膜上憩室切除術を施行した.Zenker憩室は症状を認めないため経過観察とした.術後合併症なく退院し,術後2年経過し,全粥摂取可能な状態である.食道アカラシアと横隔膜上憩室を同時に手術した報告は少ない.われわれはSigmoid typeの食道アカラシアと横隔膜上憩室を同時に手術した1例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.

著者関連情報
© 2012 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top