日本臨床外科学会雑誌
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症例
FDG-PETで異常集積像を呈した肛門管原発平滑筋腫の1例
須藤 広誠赤本 伸太郎藤原 理朗萩池 昌信岡野 圭一鈴木 康之
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キーワード: 平滑筋腫, 肛門管, FDG-PET
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2012 年 73 巻 7 号 p. 1759-1763

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抄録

肛門管原発の平滑筋腫はまれな疾患であり,本邦では1例の報告を認めるのみである.また本来FDG-PETで陰性であるはずの消化管平滑筋腫で異常集積を呈した報告は1例のみである.今回われわれは極めてまれであるFDG-PETで異常集積像を認めた肛門管平滑筋腫の1例を経験したので報告する.
症例は36歳,女性.2年前より肛門部の腫瘤を自覚していた.3カ月前より腫瘤の増大を認め,頻便,便失禁を認めたため近医を受診し,精査加療目的で当院紹介受診となった.
直腸指診で正常肛門管粘膜を介して3cmの弾性硬の腫瘍性病変を触知し,FDG-PETで腫瘍部位に一致して異常集積を認めた.手術は内肛門括約筋を一部合併切除し,3.5×2.5cmの弾性硬の腫瘍を摘出した.病理組織学的検査より内肛門括約筋から発生した平滑筋腫と診断した.術後経過は良好で,肛門機能の改善,排便障害の消失を認めた.

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© 2012 日本臨床外科学会
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