日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
Intraductal papillary neoplasm of the bile ductの2例
猪川 祥邦谷口 健次望月 能成横山 裕之桒原 恭子末永 裕之
著者情報
キーワード: IPNB, IPN-B, 胆管細胞癌
ジャーナル フリー

2012 年 73 巻 7 号 p. 1779-1785

詳細
抄録

症例1は77歳,女性.上腹部痛の精査にて肝左葉外側区域胆管後枝(B2)の胆管内に発生した胆管内発育型の胆管細胞癌と診断し,尾状葉温存肝左葉切除を施行した.切除標本では,割面で35mm大の淡黄色,軟な腫瘤を胆管内に認めた.病理所見によりintraductal papillary neoplasm of the bile duct(以下IPNB)と診断された.一部に上皮内癌を認めた.症例2は65歳,女性.発熱精査にて肝左葉外側区域胆管前枝(B3)内の粘液産性胆管癌を疑い,尾状葉温存肝左葉切除を施行した.拡張したB3内に淡黄色粘液の貯留を認めた.病理所見によりIPNBと診断された.近年,膵臓における膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)のcounterpartとしてIPNBが認識されつつある.われわれはB2およびB3に発生したIPNBの2切除例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

著者関連情報
© 2012 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top