日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
大腸癌手術時に偶然発見された小腸間膜異所性膵の1例
山田 正樹佐藤 雅彦渡部 英根上 直樹齋藤 徹也石戸 保典
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 73 巻 9 号 p. 2383-2386

詳細
抄録

大腸癌手術時に偶然発見された小腸間膜異所性膵の1例を経験したので報告する.
症例は60歳男性.直腸,S状結腸の重複癌による腸閉塞で入院し人工肛門を造設.退院後に癒着性の腸閉塞で再入院となり,2期的に根治術を施行した.術中Treitz靱帯から約40cmの空腸に索状物を形成し,この間隙に小腸がすべりこむことでイレウスを生じていた.近傍の小腸間膜に25mm大の固い結節を触知し播種を疑い摘出し,術中迅速病理診断を行ったところ異所性膵の診断であった.手術は癒着剥離術と低位前方切除術を施行した.術後の病理組織学的検査で結節はHeinrich I型の異所性膵と診断された.

著者関連情報
© 2012 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top