2013 年 74 巻 1 号 p. 163-167
症例は74歳,男性.平成19年8月に直腸癌に対し3群リンパ節郭清・低位前方切除術を施行(tub1,pSE,pN0,ly1,v0,PM0,DM0,Stage II).平成23年1月の画像にて肝S4に限局した胆管拡張のみが出現し,同年4月の再評価で肝S4に造影効果の乏しい腫瘍を認め紹介.開腹所見では,腹膜播種やリンパ節転移,周辺脈管への侵襲を伴わず,術中迅速にて左肝管断端に悪性所見のないことを確認し左葉切除術を選択.切除標本上は胆管内腫瘍栓を主腫瘍とした転移性肝癌であった.画像所見の特徴および進展様式に関する文献的考察を加え報告する.