日本臨床外科学会雑誌
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症例
胆嚢十二指腸吻合術40年後に発生した胆嚢癌の1例
赤司 昌謙堀内 彦之川原 隆一中山 正道木下 壽文白水 和雄
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2013 年 74 巻 1 号 p. 185-189

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抄録

症例は74歳,女性.胆石症に対して1969年に胆嚢十二指腸吻合術を施行された.2006年,胆道系酵素の上昇を契機に胆石・総胆管結石を指摘され,内視鏡的に採石術が行われた.2010年12月のPET-CT,MRIにて胆嚢に腫瘍性病変を指摘され当院紹介となった.上部消化管内視鏡にて,十二指腸球部前壁に胆嚢十二指腸吻合部の開口部と胆嚢内の観察が可能であり,吻合部近傍胆嚢内に隆起性病変を認めた.生検でadenocarcinomaが検出された.2011年3月に全層胆嚢摘出術,瘻孔合併切除およびリンパ節郭清を施行した.胆嚢消化管瘻を有する症例は胆嚢癌発生の高危険群である可能性を念頭に置き,早期の外科的手術が望ましいと考えられた.

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© 2013 日本臨床外科学会
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