2013 年 74 巻 10 号 p. 2706-2709
症例は56歳,女性.9年前に右乳癌に対して乳房部分切除(Bp)+センチネルリンパ節生検(SNB)が行われた.術後放射線療法の後,ホルモン療法が行われ,無再発にて経過観察中であった.定期受診の際のエコー検査で腫瘤を指摘され,精査の結果,同側温存乳房内再発(IBTR)と診断した.
Bp+SNBの方針とし,SPECT/CTを用いてセンチネルリンパ節シンチグラフィーを行ったところ,同側鎖骨下小胸筋背側に集積を認めた.術中色素法も併用し,右鎖骨下静脈の尾側,小胸筋背側のセンチネルリンパ節(SN)を同定し摘出した.病理組織学的に「悪性所見なし」との診断であった.現在再手術後20カ月経過し,無再発生存中である.
SPECT/CTは,正確な解剖学的位置関係の把握を可能にし,従来のシンチグラフィーに比べ,SNの同定において有用と考えられた.