日本臨床外科学会雑誌
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症例
NET G1と腺癌が共存した直腸原発MANECの1例
中島 隆宏勝又 健次川本 雅司藤野 昇三竹之下 誠一
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2013 年 74 巻 12 号 p. 3425-3429

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抄録

症例は79歳,男性.大腸癌術前検査の下部消化管内視鏡検査にて,下部直腸に隆起性直腸腫瘍を偶然発見された.大腸癌の根治術後,直腸腫瘍に対して内視鏡的粘膜下層切除術を施行した.病理学的所見では断端は陰性,粘膜筋板部を中心に粘膜・粘膜下層双方に広がる腫瘍で神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor;以下NET)に相当する成分と高分化型腺癌の成分とを認めた.腫瘍内での分布範囲として各々量的に30%以上を占められており,mixed adenoneuroendocrine carcinoma(以下MANEC)であると診断した.MIB-1 indexは神経内分泌分化を示す部分では1%未満でありNET G1に相当すると考えられた.しかし,MANECは一般的には悪性度の高い疾患と言われている.本症例は,低悪性度のNET G1が混在する非常に稀なMANECであったと考えられた.文献的考察を加え報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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