日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
乳腺線維腺腫に併存した浸潤性乳管癌の1例
嶋田 和博千島 隆司石川 孝市川 靖史遠藤 格
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 74 巻 2 号 p. 371-375

詳細
抄録

症例は65歳,女性.右乳房腫瘤を自覚しマンモグラフィ(MMG)で要精査となり当科紹介受診.触診で右C領域に2.5×2.0cmの境界明瞭で可動性良好の腫瘤を触知,MMGで同領域に多形性で不均一な石灰化の集簇を伴う直径2cmの高濃度腫瘤を認めた.乳房超音波検査(US)では,長径2cm大の内部に石灰化を伴う低エコー腫瘤を認めた.腫瘤の境界はMMGでほぼ境界明瞭だが乳頭側で一部鋸歯状を呈し,USでも腫瘤の乳頭側境界は不明瞭であった.針生検を施行したところ背景に乳腺線維腺腫を伴う浸潤性乳管癌の診断であった.術前診断T2N0M0にて右乳房全摘術,センチネルリンパ節生検術を行った.病理組織診断では2.2×1.6×1.1cm大の腫瘍結節を認め,組織学的には乳腺線維腺腫に併存した浸潤性乳管癌であった.今回われわれは,乳腺線維腺腫に併存した浸潤性管乳癌を経験したので文献的考察を加えて報告する.

著者関連情報
© 2013 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top