日本臨床外科学会雑誌
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症例
二度の手術を要した胃全摘後Roux-en-Y吻合部逆行性腸重積の1例
北 健吾矢吹 英彦稲葉 聡小原 啓庄中 達也渡邊 賢二
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キーワード: 胃全摘, Roux-en-Y再建, 腸重積
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2013 年 74 巻 2 号 p. 391-395

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抄録

症例は76歳男性で,54歳時に胃癌にて胃全摘(Roux-en-Y再建).75歳時突然の上腹部痛にて受診した.CTでは上腹部の拡張腸管内に同心円状層状構造の腫瘤像を認め,イレウス管造影ではY吻合部でカニ爪様の途絶を認めた.腸重積による腸閉塞を疑い開腹した.Y吻合部より肛門側の空腸が逆行性に重積していた.整復し空腸を一部切除した.先進部分に異常は認めなかった.1年後,同様に突然の上腹部痛にて受診した.CTより腸重積症の再発と診断し開腹した.Y吻合部の逆行性腸重積症であり,Y吻合部を含めて空腸を切除,再吻合した.以後再々発は認めていない.胃切除後の腸重積症は突然の上腹部痛,嘔吐で発症し,CTでは層状構造の腫瘤像が特徴的である.先進部腸管の異常を認めることはまれで,機械的因子や機能的因子が原因として推測される.胃切除後の腸重積症はまれではあるが,術後腸閉塞の原因疾患の一つとして念頭に置く必要がある.

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© 2013 日本臨床外科学会
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