日本臨床外科学会雑誌
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症例
PET/CTにて偽陽性を示した結紮糸によるforeign body granulomaの1例
垣本 佳士松岡 信子牛丸 裕貴鈴木 大聡遠藤 幸丈加藤 恭郎
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2013 年 74 巻 2 号 p. 459-462

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抄録

症例は57歳女性で癒着性イレウスにて入院となった.腹部CTにてS状結腸に腫瘍性病変を認め,同時に肝に腫瘤陰影を認めたため癒着剥離術およびS状結腸切除術を施行した.術後病理診断にてS状結腸癌と診断し化学療法を施行した.治療は奏効し肝転移は消失したため化学療法を中止したが,術後1年で腫瘍マーカーの上昇を認めた.CTにても病変は認めなかったためPET/CTを施行し,腹部大動脈周囲リンパ節に異常集積を認めS状結腸癌術後再発と診断した.化学療法を再開しPET/CTを再検したところ異常集積は減弱しており,同部以外には異常集積を認めなかったため根治切除術を施行した.術中所見では異常集積部に一致したところに腫瘤を認めたため切除した.術後病理診断にてforeign body granuloma(以下FBG)と診断された.悪性腫瘍術後の場合FBGと再発との鑑別は困難なことも多く,文献的考察を加えて報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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