日本臨床外科学会雑誌
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症例
孤立性腸間膜線維腫症の2例
中山 厳馬長尾 厚樹針原 康堀内 啓小西 敏郎
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2013 年 74 巻 2 号 p. 551-556

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抄録

腸間膜線維腫症は比較的稀な疾患で,Gardner症候群の家族歴や腹部手術,外傷歴を有さない孤発例の報告はさらに少ないとされる.われわれは腸間膜線維腫症の孤発例を2例経験したので,文献的考察を交えて報告する.
症例1は48歳女性.左腹部腫瘤を主訴に来院.CT検査で左腎下極付近に9cm大の腫瘤を指摘され,開腹術にて腫瘤摘出術を施行.腫瘍は空腸腸間膜に認められた.症例2は24歳女性.左下腹部腫瘤を主訴に来院.CTおよびMRI検査で左下腹部に6cm大の腫瘤を認めた.手術にて腫瘤はS状結腸間膜に存在し,回腸間膜と癒着していたためS状結腸とともに回腸の一部を合併切除した.いずれも病理診断にて腸間膜線維腫症と診断した.症例1は切除後6年,症例2は1年4カ月が経過し,無再発で経過観察中である.

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© 2013 日本臨床外科学会
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