日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸壁転移と繰り返す肺転移切除により生存中のS状結腸癌の1例
水上 泰安達 大史有倉 潤近藤 啓史
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キーワード: 胸壁転移, 肋骨転移, 大腸癌
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2013 年 74 巻 3 号 p. 654-657

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抄録

大腸癌胸壁転移に対する切除例の報告は少ないが,切除手術を行い生存を得られている症例を経験したので報告する.症例は63歳の男性で,2001年に前医にて,S状結腸癌にてS状結腸切除術を施行し,病理はtub1,ly1,v0,SS,N1,H0,P0,M0,pStage IIIaであった.2004年6月に左右の肺転移が出現したため,化学療法を施行し,2007年10月に右肺,12月に左肺の胸腔鏡下部分切除術を行った.その後,2008年2月に胸部CTで右胸壁転移と右肺転移が出現したため,3月より放射線治療を施行した.右肺転移は消失したが,胸壁転移が残存するため,2009年8月に当科紹介・受診となった.同月,胸壁腫瘍摘出術を施行した.病理では大腸癌転移の所見であった.2010年9月に右肺転移再発を認め,肺部分切除術を行ったが,その後は再発所見を認めず,2012年9月時点で無再発生存中である.

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© 2013 日本臨床外科学会
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