2013 年 74 巻 3 号 p. 791-796
胆管IPN(IPNB:intraductal papillary neoplasm of bile duct)は乳頭状発育を示す胆道腫瘍であり,病理学的な相同性から膵IPMNのカウンターパートと考えられている.症例は76歳の女性で,肝門部原発胆管腫瘍の診断のもと肝左葉切除術,尾状葉切除術,肝外胆管切除術を施行した.腫瘍は組織学的に非浸潤性乳頭腺癌であり,腫瘍の表層拡大や胆管断端浸潤は認めなかった.術後4年目に腹部CTで遺残膵内胆管に再発を認め,膵頭十二指腸切除術を施行した.現在のところ再発を認めていない.本症例のように,胆管IPNは治癒切除後もしばし遺残胆管に再発することを念頭に置き,CT等の画像検査を含めた長期フォローが必要である.