日本臨床外科学会雑誌
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症例
アレルギー性紫斑病に合併した出血性小腸潰瘍の1例
片山 知也水上 達三廣方 玄太郎蔵貫 勝志阿部 厚憲及能 健一
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2013 年 74 巻 4 号 p. 958-961

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抄録

症例は13歳,男性.嘔吐・腹痛を主訴に近医を受診したが症状の改善なく経過.その後,大量の鮮血便がみられたため当院小児科を受診.出血性腸炎と診断され保存的治療を受けていたが,圧痛が腹部全体に拡がってきたため外科紹介となった.即日,急性腹症と診断し腹腔鏡検査を行ったところ,上部空腸に出血性病変が認められ,小開腹のうえ小腸部分切除術を行った.切除標本では多発性潰瘍が認められ,病理組織所見からアレルギー性紫斑病に続発した小腸潰瘍と診断された.本疾患は一般に予後良好とされるが,時として小腸潰瘍を合併し多量出血をきたす可能性がある.よって出血部位の早期診断と治療が必要であると考えられた.

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© 2013 日本臨床外科学会
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