2013 年 74 巻 5 号 p. 1150-1156
目的:Crawford II型胸腹部大動脈瘤手術時の術後合併症および遠隔成績等について検討したので報告する.
対象と方法:2006年1月から2011年12月までの6年間で施行した胸腹部大動脈瘤の待機手術40例においてCrawford II型胸腹部大動脈瘤手術15例を対象とした.
結果:病院死亡は0例(0%)であったが,delayed neurologic deficitは2例存在した.術後72時間以上の人工呼吸器装着は4例(27%),術後血液透析が必要な腎不全4例(27%)であった.また5年生存率は83.3%であった.
結語:当科で患者選択を行い施行したCrawford type IIの胸腹部大動脈瘤の手術成績および長期成績は現時点では満足できるものと考えており,現在のこの手術に対するstrategyやadjunctは妥当と考えている.