日本臨床外科学会雑誌
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症例
副心臓枝合併切除を要した右下葉肺癌の1例
古川 克郎柴崎 信一荒木 政人橋本 泰匡久永 真岡 忠之
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キーワード: 過剰気管支, 副心臓枝, 肺癌
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2013 年 74 巻 5 号 p. 1228-1232

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抄録

副心臓枝は,まれな気管支異常であり,多くは他の胸腔内病変の精査中に偶然発見される.今回副心臓枝の合併切除を要する右下葉肺癌症例を経験したので報告する.症例75歳男性.2008年左上葉小細胞肺癌で左上葉切除術を施行された.2012年右下葉肺癌の診断がつき手術目的で当科へ入院となった.術前の気管支内視鏡検査やCTにより副心臓枝と思われる気管支の異常分岐が認められた.周囲の肺胞を伴う肺葉構造を呈しており,右下葉に接していたため右下葉切除時に合併切除した.副心臓枝はまれな形態異常であるが,術前画像評価にてその存在を認識していなければ術中の対応に苦慮することが予想され,術前評価でそのような異常分岐の存在の有無に気づき認識しておくことが必要である.

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© 2013 日本臨床外科学会
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