日本臨床外科学会雑誌
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症例
長期生存した孤立性脳転移を伴うS状結腸癌の1例
山本 将輝吉満 政義向田 秀則平林 直樹多幾山 渉金子 真弓
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2013 年 74 巻 6 号 p. 1436-1442

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抄録

今回,われわれは脳転移を契機に発見されたS状結腸癌に対し転移巣および原発巣切除を行い,長期生存を得た症例を経験したので報告する.症例は71歳,女性,左手と左顔面の痙攣を主訴に当院外来受診した.頭部CT上右運動野近傍に径18mmのring enhanced massおよび周囲浮腫が認められた.病状悪化したため開頭腫瘍摘出術を施行した.中分化型腺癌の像が認められ転移性病変と診断された.下部消化管内視鏡検査でS状結腸に半周性の2型腫瘍,生検にて中分化型腺癌の像を認め,S状結腸癌孤立性脳転移と診断した.外科にて腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行,最終診断はS/C,type 2,SI,ly1,v1,ow(-),aw(-),N2,P0,H0,M1,Stage IVであった.3カ月後,頭部MRIにて辺縁再発が疑われγナイフ施行した.術後92カ月間の経過で再発兆候を認めない.

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© 2013 日本臨床外科学会
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