2013 年 74 巻 7 号 p. 1778-1781
Needle tract seedingによる局所再発乳癌を2例経験したので報告する.
症例1:46歳女性.2007年7月に早期乳癌に対し,乳房部分切除術とセンチネルリンパ節生検施行.術後補助療法として放射線療法と化学療法を行った.2008年6月に針生検部の皮膚再発を認めたため,切除術施行.その後カペシタビンの投与を行っていたが,2009年9月に掻痒を伴う局所再発が出現し,種々の化学療法を施行するも奏効せずPDとなった.症例2:52歳男性.2009年3月に乳房切除術とセンチネルリンパ節生検施行後,タモキシフェンの内服を行っていた.2010年9月に創部近傍に腫瘤出現し,針生検にて悪性であったため皮膚再発と診断.切除術を施行した.
乳癌手術においては,needle tractを含めた切除の意義は看過できず,また針生検施行時には手術を想定した穿刺部位の決定が重要である.