2013 年 74 巻 7 号 p. 1861-1865
症例は45歳男性で,食後の腹痛を主訴に近医受診した.腹部超音波検査にて門脈系の異常を指摘され,精査目的にて当院内科紹介となった.腹部造影CTにて,SMVがSMAの左側を走行するSMV rotation signおよびwhirl-like patternを認めた.上部消化管造影にて十二指腸空腸移行部の狭窄像を認め,注腸検査にて回盲部の正中側やや上方への変位を認めた.以上より,腸回転異常不完全回転型に伴う中腸軸捻転と十二指腸狭窄症の診断のもと,腹腔鏡下にてLadd手術および予防的虫垂切除術を行ったが,器質的な狭窄部を認めたため,小開腹を追加し小腸部分切除を追加した.術後経過は良好で第7病日に退院となった.