日本臨床外科学会雑誌
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症例
Trousseau症候群で発見された原発性小腸癌の1例
平野 康介菅又 嘉剛久保田 和吉羽 秀麿多賀谷 信美今井 康雄大矢 雅敏
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2013 年 74 巻 7 号 p. 1909-1913

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抄録

悪性腫瘍に伴う血液凝固能亢進状態により脳卒中をきたす病態はTrousseau症候群として知られている.今回,われわれは脳梗塞を契機に原発性小腸癌を診断し治療を行い,本症候群を診断した1例を経験したので報告する.症例は47歳,女性.左上肢の痺れを自覚し,多発性脳梗塞と診断し,加療を開始した.血液検査で軽度の貧血が認められ,腹部CT検査を施行し小腸の全周性肥厚と腸間膜リンパ節腫大を認めた.カプセル内視鏡検査および小腸内視鏡検査で上部空腸に全周性の3型腫瘍を認め,生検で腺癌と診断され開腹手術を行った.Treitz靱帯から約30cm空腸に右半結腸と腸間膜リンパ節が一塊となる腫瘍が存在しており,小腸部分切除と右半結腸合併切除,腫大した腸間膜リンパ節の郭清を行った.病理所見では管状腺癌,pSI(横行結腸),N2,Stage IIIbであった.経過は良好で麻痺症状はほぼ消失し,術後第12病日退院となった.

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© 2013 日本臨床外科学会
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