日本臨床外科学会雑誌
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症例
慢性膵炎に起因したhemosuccus pancreaticusの2例
木下 満初野 剛中山 裕史片岡 政人近藤 建
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2013 年 74 巻 9 号 p. 2587-2592

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抄録

Hemosuccus pancreaticusは膵管内からVater乳頭を経由した消化管出血をきたす疾患である.症例1は46歳,女性.アルコール多飲歴あり,他院で膵腫瘍を指摘されていた.下血と腹痛で当院入院.腹部CTで膵尾部に直径27×32mmの腫瘤,内部に高吸収域を認めた.内視鏡的逆行性膵管造影を施行し,hemosuccus pancreaticusと診断,膵体尾部脾合併切除術を施行した.症例2は73歳,男性.腹痛と黒色便で他院で膵腫瘍疑われ当院受診.腹部CTで膵尾部に直径7×8mmの腫瘤,また脾静脈閉塞による左側門脈圧亢進症を認めた.以上より,hemosuccus pancreaticusと診断し膵体尾部脾合併切除術を施行した.病理所見では2例とも慢性膵炎に起因する脾動脈瘤破裂による膵管内穿破であった.今回著者らは2例のhemosuccus pancreaticusを経験したため報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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