日本臨床外科学会雑誌
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症例
自然還納を認め待機的手術を施行した閉鎖孔ヘルニアの3例
秋本 修志福田 三郎石崎 康代藤崎 成至先本 秀人江藤 高陽
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2014 年 75 巻 1 号 p. 240-244

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抄録

われわれは嵌頓した閉鎖孔ヘルニアの自然還納を画像で確認し,待機的に腰椎麻酔下に腹膜外到達法にてメッシュを使用し修復術を行った3例を経験したので報告する.症例1は88歳,女性.右鼠径部痛にて当院受診.CTにて閉鎖孔ヘルニアの嵌頓を認めたが,短時間で症状の改善を認めた.CT再検にて自然還納を認めたため,後日,Kugel法にて修復術を行った.症例2は84歳,女性.左下腹部痛が出現したため近医受診.CTにて閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断され,同日当院に紹介された.病院到着時には症状は軽快し,CT再検で自然還納が確認されたため,後日,修復術を行った.症例3は79歳,女性で右大腿部痛と腹痛にて救急外来受診.CTにて閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断し緊急手術を予定していたが,症状の改善を認めた.CT再検にて自然還納が確認されたため,後日,修復術を行った.閉鎖孔ヘルニアには嵌頓と自然還納を繰り返す症例があることを認識しておく必要がある.

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© 2014 日本臨床外科学会
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