日本臨床外科学会雑誌
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原著
無作為割付け試験による直腸癌周術期予防的抗菌薬投与期間の検討
鈴木 俊之貞廣 莊太郎齋藤 剛太岡田 和丈田中 彰春木 康男
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2014 年 75 巻 11 号 p. 2955-2961

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抄録

はじめに:直腸の手術では術野感染が多いことが報告されているが,周術期の経静脈的予防的抗菌薬の投与期間は確立していない.直腸癌の待期手術において,機械的,化学的腸管前処置を行う条件下で,経静脈的抗菌薬の望ましい投与期間を検討する目的で,無作為割付比較試験を行った.方法:直腸癌前方切除の待期手術患者366例を対象とした.A群にはCMZを手術直前1回のみ,B群にはA群と同様に手術直前1回投与の後,術後は手術当日と術後3日まで1日2回経静脈的に投与した.主評価項目は術野感染とした.結果:A群177例,B群174例で検討した.A群では切開部SSI 9.6%,臓器/体腔SSI 10.2%,B群ではそれぞれ6.9%,9.2%で,いずれもA群のB群に対する非劣性が示された.結語:直腸癌の待期手術における周術期抗菌薬の使用は手術当日のみでよいことが示された.

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