日本臨床外科学会雑誌
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症例
デュアルメッシュ®を用いて胸骨再建術を施行した乳癌胸骨転移の1例
江本 健太郎重田 匡利佐藤 陽子須藤 学拓南 佳秀植木 幸一
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2014 年 75 巻 11 号 p. 2992-2996

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抄録

乳癌胸骨転移再発に対し,胸腹壁再建に用いられるデュアルメッシュ®にて胸骨再建を施行し,良好な経過を得ている症例を経験したので報告する.
症例は56歳の女性.2001年に右乳癌に対して胸筋温存乳房切除術施行後,内分泌療法を施行していたところ,2005年に右鎖骨上,縦隔のリンパ節および胸骨に転移が出現した.その後,内分泌療法を変更し,化学療法・放射線療法を追加したが,胸骨のみに腫瘍が残存した.同病変は増大傾向を示し,疼痛を伴うようになったため,2011年に胸骨体部切除術を施行した.再建にはデュアルメッシュ®を用いた.組織診断は乳癌の転移であり,切離断端は陰性であった.
呼吸による胸郭変動はなく,疼痛も軽快した.現在のところ再発の兆候はない.

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© 2014 日本臨床外科学会
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