2014 年 75 巻 11 号 p. 3108-3114
今回われわれは,局所再発大腸癌に対し膵頭十二指腸切除術にて根治切除を施行した3例を経験した.再発時期としては,それぞれ術後10年・4年・半年であった.すべての症例においてR0手術を施行できた.術後合併症として1例で術後膵液瘻を認めたがドレナージにて軽快退院した.予後としては,2例は無再発生存中,1例で術後1年目に腹膜播種再発を認めたが,外来にて通院化学療法中である.
膵頭十二指腸切除術は侵襲の大きい術式であるが,現在では比較的安全に行える術式である.大腸癌の再発に対しては手術による完全切除により治癒が見込めるため,患者の状態を考慮し症例を選択し手術を行うことで予後改善が見込める可能性がある.