日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
臨床経験
熱可塑性プラスチックシェルを用いたMRIガイド乳房部分切除術の精度
細野 芳樹川口 順敬桐生 拓司
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 75 巻 12 号 p. 3230-3235

詳細
抄録

目的:仰臥位ダイナミックMRIでの腫瘍位置を熱可塑性プラスチックシェルに介して乳房へ転記する方法(MRIシェル法)を用い,乳癌に対して乳房部分切除術を行う際の精度を評価する.方法:MRIシェル法の側方断端陽性率を乳房での腫瘍占拠部位,BMI(Body Mass Index),年齢で比較検討した.対象:当院でMRIシェル法を用いて行った乳房部分切除術症例45例.結果:側方断端陽性率は24%(11/45),術前化学療法施行例のみでは22%(2/9)だった.腫瘍の占拠部位別では乳頭下領域が100%(2/2),乳房外側下部領域が40%(2/5)と体幹に対して乳房の自由度が高い部分で高い傾向にあった.陽性症例は全て乳管内病変だった.結論:MRIシェル法の断端陽性率は文献で報告された19%~31%と遜色がなく,仰臥位ダイナミックMRIでの腫瘍の広がりを実際の乳房に反映できる有用な方法である.

著者関連情報
© 2014 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top