日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃粘膜および所属リンパ節にサルコイド反応を伴った早期胃癌の1例
大島 有希子手島 伸矢崎 伸樹齋藤 俊博武田 和憲鈴木 博義
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2014 年 75 巻 2 号 p. 409-414

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抄録

症例は36歳,女性.数日間持続する発熱,腹痛を自覚し,当院消化器内科を受診した.上部消化管内視鏡検査にて胃体下部大彎前壁に0-IIb病変を認め,印環細胞癌と診断された.腹部CTにて腹部大動脈周囲に多発する腫大リンパ節を認めたが,PET検査にて集積を認めず,早期胃癌sT1aN0M0,cStage IAと診断した.術中迅速診断で所属リンパ節に悪性所見なく,幽門温存胃切除,D1+8a,9リンパ節郭清を施行した.病理組織診断ではsig,pT1a(m),ly0,v0,pN0,pPM0,pDM0,cM0,Stage IAで,非病変部を含めた胃粘膜と所属リンパ節に類上皮細胞肉芽腫を認め,悪性腫瘍によるサルコイド反応と考えられた.サルコイド反応は一般に進行癌で認めることが多く,早期胃癌での報告は稀であり,文献的考察を加え報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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