日本臨床外科学会雑誌
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症例
上行結腸癌を伴ったpseudo-Meigs症候群を呈する卵巣甲状腺腫の1例
宇野 耕平山本 真司楠山 明矢永 勝彦
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2014 年 75 巻 2 号 p. 563-568

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抄録

症例は85歳,女性.市民検診で便潜血反応陽性を指摘され,消化管の精査を行ったところ上行結腸癌を指摘された.術前精査で左卵巣腫瘍と胸腹水の貯留を指摘され,腹水細胞診を施行したがClass IIであった.腹腔穿刺にて連日排液を行ったが,腹水は難治性であった.臨床所見からは癌性腹膜炎が疑われたが,上行結腸癌にpseudo-Meigs症候群を合併した可能性も疑い,回盲部切除(D3郭清)および左付属器切除を施行した.病理組織検査で,上行結腸癌は高分化型腺癌,卵巣腫瘍は卵巣甲状腺腫と診断された.術後に胸腹水は消失し,上行結腸癌にpseudo-Meigs症候群を呈する卵巣甲状腺腫が合併していたと診断した.消化管腫瘍にpseudo-Meigs症候群を呈する卵巣甲状腺腫を合併することは非常に稀なため,若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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