日本臨床外科学会雑誌
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症例
嚢胞性変化を伴う胃壁外発育型GIST(最大径22cm)の1例
柚木 茂梅岡 達生木村 真士上平 裕樹河田 直海渡邊 良平
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2014 年 75 巻 5 号 p. 1250-1254

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抄録

症例は59歳女性で,貧血を主訴に来院した.上腹部を中心に腫瘤を触知し,腹部造影CTで左上腹部に胃壁に連続する巨大な腫瘤を認めた.胃内視鏡で粘膜に著変はなく壁外からの圧迫を認めた.胃腸透視で消化管の通過障害は認めなかった.手術を施行すると,腫瘍は大網が炎症性に癒着し,胃壁と連続していた.胃部分切除により,腫瘍を摘出した.摘出した腫瘍は大きさが22×22×13cmで重量は3.6kgであった.病理組織の結果,高リスク群の巨大嚢胞を伴うgasrointestinal stromal tumor(以下GIST)と診断された.術後イマチニブの服用を勧めたが患者の同意は得られず,外来で経過観察しているが,5年11カ月後再発転移を認めていない.巨大嚢胞性GISTでイマチニブを投与せずに長期に再発・転移がない,興味深い症例と考え報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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