日本臨床外科学会雑誌
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症例
重複胃に発生した胃癌の1例
小丹枝 裕二皆川 のぞみ本間 重紀中西 一彰数井 啓蔵服部 淳夫
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キーワード: 胃重複症, 胃癌
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2014 年 75 巻 5 号 p. 1276-1281

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抄録

胃重複症は稀な先天性疾患であり,重複胃に発生した胃癌に関する報告はさらに稀である.今回,直腸癌術後に発見された胃壁の嚢胞性腫瘤が重複胃であり,内部に胃癌を伴っていた1例を経験した.症例は63歳の女性.2年前に他院で直腸癌に対して低位前方切除術を施行.病理結果はSI(膀胱),N2,M0,Stage IIIbであったが,術後補助化学療法は施行せずに経過観察していた.術後1年目の検査で胃体上部大弯に嚢胞性腫瘤を認め,セカンドオピニオン目的で当科受診.GIST・神経原生腫瘍・直腸癌の転移などを鑑別診断とし,胃部分切除術を施行した.病理検査にて重複胃に発生した胃癌Stage IBと診断された.重複胃に発生した胃癌の報告は本症例以外では13例のみであり,非常に稀である.当科で経験した重複胃に発生した胃癌の1例を,文献的考察を交えて報告した.

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© 2014 日本臨床外科学会
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