日本臨床外科学会雑誌
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症例
Octyl-2-cyanoacrylateにて閉鎖した食道癌術後の難治性腸管皮膚瘻の1例
和氣 仁美松原 毅平原 典幸百留 亮治木谷 昭彦田島 義証
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2014 年 75 巻 6 号 p. 1537-1541

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抄録

症例は70歳台,男性.嚥下時の咽頭違和感を主訴に来院.食道入口部から胸部上部食道にかけての進行頸部・胸部食道癌の診断で,2011年4月,胸腔鏡下食道全摘,咽頭喉頭合併切除,3領域リンパ節郭清,胃管・遊離空腸再建,永久気管孔造設術を施行した.術後10日目に経口摂取を開始したが,術後23日目に永久気管孔から唾液漏出が出現し,遊離空腸-胃管吻合部から永久気管孔への瘻孔形成を認めた.絶食・経腸栄養管理を行い,直視下に瘻孔の縫合閉鎖,また,血液凝固第XIII因子製剤投与を試みたが改善は得られなかった.そこで,octyl-2-cyanoacrylate(ダーマボンド®)を瘻孔内に2度注入・充填したところ唾液の漏出は認められなくなり,その後,再発することなくリハビリ目的で転院となった.以上,難治性腸管皮膚瘻に対してoctyl-2-cyanoacrylateの注入・充填は非侵襲的で有用な治療法と思われた.

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© 2014 日本臨床外科学会
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