日本臨床外科学会雑誌
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症例
Pagetoid spreadを伴う肛門管癌を発症したLi-Fraumeni syndromeの1例
升田 貴仁早田 浩明滝口 伸浩外岡 亨山本 宏宮崎 勝
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2014 年 75 巻 6 号 p. 1647-1652

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抄録

症例は49歳,女性.29歳時に左尺骨骨肉腫,32歳時に左乳癌,37歳時に右乳癌,39歳時に左乳癌局所再発,40歳時に左乳癌皮膚転移に対して手術を施行.父に胃癌,平滑筋肉腫,食道癌を認めていた.遺伝性腫瘍症候群であるLi-Fraumeni syndromeと診断されていた.肛門部痛にて精査の結果,肛門管癌と早期胃癌の診断となった.肛門管癌と早期胃癌に対して腹会陰式直腸切断術および胃部分切除術を同時に施行した.肛門管癌は病理検査でpagetoid spreadを伴うmucinous adenocarcinomaの診断であった.断端陽性となり後日追加切除術を施行した.Pagetoid spreadを伴う肛門管癌およびLi-Fraumeni syndromeは共に稀な疾患である.われわれが検索した限りでは両疾患を認めた報告は認めなかった.非常に稀な症例を経験したので報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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