日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸内分泌細胞癌の1例
熊谷 健太柏木 宏之門間 英二野末 睦
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2014 年 75 巻 7 号 p. 1872-1876

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抄録

患者は62歳男性で尿の黄染を主訴に受診した.腹部CTで十二指腸下行脚に3cm大の腫瘤を認め,ERCPで十二指腸下行脚に不整な潰瘍を認めた.十二指腸癌の疑いで幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.肉眼的病理所見で十二指腸下行脚に31×28×32mmの充実性腫瘍を認め,病理組織所見でN/C比の高い腫瘍細胞の充実性増殖を認めた.免疫組織染色ではsynaptophysin(+)であり,十二指腸神経内分泌細胞癌と診断した.術後47日目に肝転移再発をきたし,CDDP/VP-16療法を4コース行った.一時的にCRとなったが,化学療法終了後に肝転移再発したため,肝部分切除術を行った.術後10カ月目に3度目の肝転移再発を生じたため,再びCDDP/VP-16療法を4コース行ったが,今回は奏効することなく術後19カ月目に永眠された.

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© 2014 日本臨床外科学会
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