日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前補助化学療法にてpCRが得られた進行胃癌の3例
村田 一平青山 徹佐藤 勉尾形 高士長 晴彦吉川 貴己
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2014 年 75 巻 8 号 p. 2188-2193

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抄録

進行胃癌に対する術前補助化学療法(NAC)は有望な治療法の一つである.NAC後に胃切除術を施行し,組織学的完全奏効(pCR)となった3例を経験したので,臨床病理学的特徴を検討した.当院でNACが施行され,治療後にpCRとなった症例は3例であった.術前進行度はStage II1例/Stage III2例.術前化学療法はPaclitaxcel+Cisplatinの4コースが2例,S-1+Cisplatinの4コースが1例であった.全例がNAC後にD2胃切除術を施行し,全例が無再発生存中である.過去のNACの臨床試験では大半が2コース以下で,pCR率は2%前後と報告されている.今回経験した3例はいずれも4コースのNACを施行しており,4コースのNACを施行した症例のpCR率は20%(3/15)であった.NAC回数の増加がpCR率を向上させ,ひいては予後改善につながるか否か新たな臨床試験が必要と思われる.

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© 2014 日本臨床外科学会
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