2014 年 75 巻 8 号 p. 2219-2223
40歳,男性.20歳時にPeutz-Jeghers症候群と診断され,他院にて22歳時に小腸ポリープに対して開腹小腸部分切除,26歳時にポリープからの出血に対して開腹小腸部分切除の既往がある.今回,腸重積の診断で入院し,術前評価にてポリープが大きく,密生しているためにダブルバルーン内視鏡によるポリープ切除は困難と判断され手術の方針となった.開腹癒着剥離して腸管整復し,内視鏡的に切除困難な3cmのポリープを小切開して切除した後,内視鏡を挿入し十二指腸から回腸末端までの1cm以上のポリープを150個程度切除した.本症の多発小腸病変に対する外科治療での術中内視鏡の併用は,腸管温存と安全性から有用性が高いと考えられる.