2014 年 75 巻 9 号 p. 2509-2513
症例は68歳の男性で排便時出血を主訴に来院し,早期直腸癌と診断された.根治手術を施行し,高分化腺癌,深達度SMでT1b,n0,ly0,v2,Stage Iと診断された.術後2年10カ月で側方領域の壁外非連続性癌進展病巣によると考えられる再発病巣を摘出した.再手術3カ月後に腰椎・仙骨転移,多発肝転移が確認され,化学放射線治療によって,腫瘍マーカーは正常化しPET-CTで転移巣は消失した.初回根治手術後に側方領域の局所再発をきたし,その切除後に急速に骨・肝再発を合併したSM直腸癌症例を経験した.