日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に切除したIgG4関連脾炎症性偽腫瘍の1例
大塚 新平磯谷 正敏金岡 祐次前田 敦行高山 祐一深見 保之
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2015 年 76 巻 1 号 p. 124-128

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抄録

症例は63歳,女性.近医でフォローアップ中の脾嚢胞性病変が増大傾向のため当院を紹介受診した.自覚症状は認めず,腹部は平坦で軟,腫瘤は触知しなかった.血液生化学検査では特記すべき異常は認めなかった.造影CTで脾蔵に3.5×4cmの膨張性発育を呈し内部が不均一に造影される腫瘤を認めた.PET-CTではSUVmax 9.41と強い集積を認めた.MRIではdynamic studyで経時的な濃染の明瞭化を認めた.悪性リンパ腫を疑い腹腔鏡下脾臓摘出術を行った.腫瘍の大きさは3.5×4cm,病理組織学的検査では悪性所見はなく,広範な形質細胞とリンパ球の浸潤および線維化を呈していた.免疫染色にてIgG4染色で多数の陽性細胞を認め,IgG4関連の炎症性偽腫瘍と診断された.

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© 2015 日本臨床外科学会
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